冬なんです

今年の能登は青空が見える日がとても多いです。
雪は降るけれどほとんど積もっていません。
僕が漆の修業のために輪島に来て九度目の冬ですがこんなことは初めてだと思います。

もちろん寒いのは寒いです。
でも、雪かきをしなくていい。
家の前の急坂を四駆じゃなくてもスリップ無しで上がってこれる。
仕事場が早くあたたまる気がする。
散歩にいこうかななんて気分になる。
気が楽で体も楽で嬉しいのですが、ちょっとふさわしくない。

僕が能登に来て強く感じるようになったのは、春の嬉しさです。
長い寒い冬をじっと耐えて耐えて、耐えている中、ふきのとうをみつけて意外な感じとか
ふいにやわらかくなる風とかガラス越しの太陽のあたたかさとか
晴れの日が増えて畑の雪がとけ出すとじいちゃんばあちゃんが一斉にでてきて土をいじりだすあのいそいそした感じとか
もう想像するだけでにやけてしまいます。

今年はその嬉しさが小さくなってしまうのではないか。
そんなことをちらと思ったりします。
たぶんこれからふさわしくなるんでしょうけれど。